「著作権譲渡」と書いてあったら要注意!
契約書や発注書に、さらっと書かれているこの一文。
「本成果物の著作権はすべて発注者に譲渡するものとする」
クリエイター、デザイナー、ライター、エンジニアの方——
この文言、本当に理解した上でサインしていますか?
今回は「著作権譲渡」の落とし穴について解説します。
■ そもそも著作権とは?
著作権には大きく分けて2つあります。
① 著作権(財産権)
-
複製する権利
-
公開する権利
-
販売する権利
-
二次利用する権利
→ お金に関わる“権利”
② 著作者人格権
-
名前を表示するかどうか決める権利
-
内容を勝手に改変されない権利
- 作品(成果物)を公表するかどうかを決める権利
→ 作者の人格に関わる権利(※これは原則譲渡できません!)
■ 「著作権譲渡」とは何が起きるのか?
著作権譲渡に同意すると…
✔ 自分でその作品を自由に使えなくなる
✔ ポートフォリオ掲載ができなくなる可能性
✔ 二次利用して収益化できなくなる
✔ クライアントが改変・再販売しても止められない
つまり、
作品の“所有者”が完全に相手になる
ということです。
■ よくあるトラブル例
1. ポートフォリオサイトに載せたら削除を求められた
→ 「著作権は当社に譲渡済みです」と言われる
2. ロゴが改変され別商品に使われていた
→ 追加報酬なし
3. 思ったより安い報酬だった
→ でも“全部譲渡”していた
■ 特に注意すべき表現
契約書でこんな文言を見たら要確認です。
-
「著作権(第27条・第28条を含む)を譲渡する」
-
「対価の支払いをもって完全に譲渡する」
-
「将来発生する権利も含めて譲渡する」
※27条・28条は「二次的著作物」に関する重要条文です。
■ 本当に譲渡が必要?
実は多くの場合、
✔ 使用許諾(ライセンス)で十分
✔ 目的限定の利用許可で足りる
ケースがほとんどです。
たとえば:
-
Webサイトに掲載するだけ
-
広告として使用するだけ
-
一定期間のみ使用
なら、譲渡までは必要ないことも多いのです。
■ 交渉は可能?
結論:可能です。
例:
-
「著作権は譲渡せず、独占的使用許諾とする」
-
「ポートフォリオ利用は許可してもらう」
-
「二次利用時は追加報酬とする」
誠実な企業であれば、合理的な範囲で応じてくれます。
■ どうしても譲渡するなら
最低限確認したいこと:
-
報酬は適正か?
-
二次利用の可能性は?
-
ポートフォリオ利用の可否
-
改変の範囲
-
クレジット表記
「全部渡す」なら、それ相応の対価が必要です。
■ まとめ
「著作権譲渡」は
✔ 作品の権利を完全に手放すこと
✔ 取り戻せない
✔ 報酬とバランスが重要
契約書の1行を軽く見ないでください。
サインする前に、
「これは本当に譲渡である必要があるのか?」
一度立ち止まって考えましょう。
あなたの作品は、あなたの資産です。
