今回の全東信の破産事件。行政書士ができる支援とは?
突然の破産で、多くの事業者が困惑
2026年7月6日、クレジットカード決済代行サービスを提供していた株式会社全東信が、大阪地方裁判所から破産手続開始決定を受けました。
同社のサービスを利用していた飲食店や小売店などでは、
- 売上金が入金されない
- 決済端末が利用できない
- 資金繰りが急激に悪化した
といった深刻な影響が広がっています。政府や自治体も相談窓口や資金繰り支援を開始しており、事態の大きさがうかがえます。
このようなニュースを見ると、
「行政書士に何ができるのだろう?」
と思われる方も少なくありません。
しかし実は、このような局面だからこそ行政書士が力になれる場面は数多くあります。
行政書士は「破産手続」を代理できない
まず最初に、誤解のないようにお伝えします。
行政書士は、裁判所で行われる破産手続や訴訟代理を行うことはできません。
これらは弁護士の業務になります。
しかし、「だから行政書士には何もできない」というわけではありません。
むしろ、経営者が最初に抱える悩みの多くは、裁判所へ行く前の段階にあります。
行政書士が支援できる5つのこと
① 現状整理のお手伝い
突然の出来事では、多くの経営者が冷静な判断を失いがちです。
行政書士は、
- 契約内容
- 未入金額
- 取引先との関係
- 必要書類
などを整理し、次に取るべき行動を一緒に考えることができます。
② 契約書の確認
今回のようなケースでは、
- 加盟店契約
- 決済代行契約
- 業務委託契約
などを確認することが非常に重要です。
契約条項によっては、
- 債権届出
- 違約金
- 解約条件
- 他社への切替
などに影響する場合があります。
契約内容を正しく理解することが、次の一歩につながります。
③ 各種届出・書類作成
行政書士は書類作成の専門職です。
例えば、
- 事業計画書
- 補助金申請資料
- 許認可変更届
- 各種行政手続
など、事業継続に必要となる書類作成をサポートできます。
④ 専門職との橋渡し
案件によっては、
- 弁護士
- 税理士
- 中小企業診断士
- 金融機関
との連携が必要になります。
行政書士は「最初の相談窓口」として、状況に応じて適切な専門職へつなぐ役割も担います。
⑤ 再発防止の法務支援
今回の事件は、「契約内容を十分確認していたか」、「リスク管理はできていたか」
という点を改めて考える機会にもなりました。
行政書士は、
- 契約書の見直し
- 取引条件の確認
- 法務チェック
- リスク管理体制の整備
など、将来同じような事態を防ぐための支援も行えます。
行政書士は「困った後」ではなく「困る前」に相談する専門職
法律相談というと、
「問題が起きてから相談するもの」
と思われがちです。
しかし本来は、
問題を未然に防ぐことこそ法務の役割です。
今回の全東信の破産は、多くの中小企業にとって「契約先の信用リスク」や「資金繰りリスク」を見直すきっかけになったのではないでしょうか。
まとめ
今回の全東信破産事件では、多くの加盟店が突然の資金繰り悪化という厳しい状況に置かれています。
行政書士は破産手続そのものを代理することはできません。
しかし、
- 契約内容の確認
- 書類作成
- 行政手続
- 法務相談
- 専門職との連携
などを通じて、経営者を支えることは十分可能です。
困ったときに一人で悩まず、まずは状況を整理することが解決への第一歩です。
法律は、人を追い詰めるためのものではありません。
安心して事業を続けるために活用するものです。
当事務所では、「あなたの会社と地域の法務コンシェルジュ」として、契約書の確認、企業法務、事業継続に関するご相談を承っています。お気軽にご相談ください。
